「夢プラン」という
ご入居者様の夢を叶えるお手伝いをする独自の取り組みを行っています。
施設にいることで夢を諦める事なく
「
最後まで希望をもって、
その人らしく生きる
」
ために、
職員がご入居者様の普段の言葉を拾い、
夢の実現や思い出の地への
外出などを実現しています。
例えば、
「美味しいスイーツが食べたい」というご要望や歌舞伎の観劇、大相撲の観戦等、
ご入居者様のご要望には看護・介護・作業療法士等の各職種が連携し、可能な限り実現致します。
社交的で、多くの知人友人に囲まれて独居されていましたが、重度の緑内障悪化のため日に日に視力が落ち、当施設にご入居されたF様の話です。慣れない施設での生活と、次第に衰えていく視力に不安を抱え、ご入居されてからほぼ終日居室にこもりきりのF様。そんなF様からある日、社交ダンスが大好きで、以前は足しげくダンス教室に通っておられたというお話を伺いました。
20年近くやっておられたダンスを是非踊って頂き、生き生きとした生活を取り戻して頂きたいと思い、夢プランを企画しました。以前F様が通っておられたダンス教室を訪ねて先生に事情をお話しし、やがてF様は月に1、2回の出張レッスンを受けるようになられました。以来、F様は毎回レッスンの日を指折り数えて心待ちにされ、「人生の楽しみがまたできた」と大変喜んでおられます。
在宅復帰が難しい入居者様。ご家族からのご要望でもう一度だけ最後に自宅に連れてくることはできないかとご相談がありました。ちょうど誕生日が近かったため、職員同行のもと、ご自宅で誕生会を行うことになりました。
夢プラン実施日は看護1名と介護2名の付き添いでご自宅まで伺いました。ご本人が帰宅するということで、ご兄弟や親族の方をはじめ、ご近所の方まで集まっており、総勢20名ほどで盛大に誕生会を実施しました。ご家族の皆様に喜んでいただきましたが、普段あまり表情に変化が見られないご本人様にも笑顔が見られたことが非常に印象深いものになりました。
年1回、各施設で取り組んだ
「夢プラン」の発表を行っております。
各施設がどのような取り組みを行ったかを共有し、ご入居者様への「夢プラン」の質を
向上するよう努めております。
年1回グループ施設がテーマに沿った献立を作成し味や見た目、
工夫した点などを競い合い、
毎日の食事内容の向上に努めています。
全ての施設ではご入居者様お一人お一人の嗜好やアレルギーに対応しながら栄養管理を行っています。出汁を使用し減塩したり、
食べやすいように柔らかく調理するなど工夫を凝らしています。
また季節を感じてもらえるよう、
旬の食材を用いて食卓に彩りを加えています。
2018年4月より「旅くらぶエクセル」という取り組みを実施しております。
グループ内の施設が合同で出かけるため、
普段は交流できない方とも一緒に
お楽しみいただけます。
季節毎にその時しか見ることの出来ない景色や
美味しい食事を楽しめるプランを
計画しています。
例えば、海の幸のお食事会、羽田空港、横浜中華街、イルミネーション、いちご狩り、
グルメツアー 等、様々な場所にお出かけし、
楽しんでいただいております。
日々の業務の中に、
入居者様に寄り添い人知れず心ある看護・介護を実践している職員の姿があります。
そんな
「心温まるエピソード」を募集し、
全職員からの投票により表彰を行っています。
共有することでモチベーションを育み、
更なるケア技術向上に取り組んでいます。
夜のお食事が終わりお部屋に戻られる入居者様にご挨拶すると「あなたも気を付けて帰りなさいね。」といってくださる方々がいらっしゃいます。時には、「ありがとうございます。私にはお母さんがたくさんいるようで幸せです。」なんてお答えすることもあります。
・・・私事ですが、10数年前に父が他界する2日前、私が父の病室から帰ろうとすると、「気を付けて帰れよ」との父の声。当時かなり重い認知症であった父からは考えられない言葉であったのでびっくりしました。まさに元気な頃の父の口調や響きでした。振り返るとこちらを向いて微笑んでいました。それが私の聞いた父の最後の言葉となりました。・・・
入居者様のこの言葉がとても私の心を温めてくださるのは、そんな思い出があるからかもしれません。これからもご高齢の方々には感謝と尊敬の心を持ち続けたいと思います。
介護職員
NさんとIさんが早朝まだ朝食開始まで時間があるのに自分たちの食席に座られていました。
2人とも私をじっと見て動きを眺められていました。
「お姉さんはいいわね、若くって働けていて。私は何もする事がなくて、こうやってただご飯が来るのを待っているだけなんだよ」
と言われました。私は、まだ時間が早いのでお部屋で休んでいてはどうですか?と勧めましたが
「やる事がない。ただ、寝るだけ…何も役に立ってないってことは本当につまらないんだよ。私に何か仕事ないかな?」
とおっしゃいまして、“役に立ちたい”という要望を強く感じました。
介護する側からは“出来ないだろう” “危険だ” “入居者様に頼むなんて…“ と一方的な考えになりがちですが、人は確かに他の人の役に立てる事で生きがい・喜びを得ることが出来る。残存機能を生かして共に生きるという環境をもっともっと工夫して考えていかなければいけないと考えさせられる場面でした。
私はとっさに安全に出来る事はないか…と考え、お二人に一緒に食事のテーブルを拭いてくださるように声を掛けました。二人ともさっと立ち上がり「出来るよー」と快く言ってくださり3人ですべてのテーブルを拭きました。お二人の笑顔に私もうれしく何だかホッとしました。
これからも何かお手伝いしていただける場面を提供出来たらいいなと思いました。
ご入居者同士助け合われている場面を見かけると、そこにはうれしそうな顔があります。
“役に立つ”という喜びをもっと味わってもらえる、そんな温かい施設にもっと成長していけたらいいなと思います。
何歳になっても、
人にとって食事は
生きる歓びや楽しみとなっています。
各施設の栄養士は日頃のコミュニケーションの
中で見つけた
ご入居者の真の声や、
調理方法・食材選択など様々な工夫やアイデアを
定期的に行われる栄養士会議で
共有しています。
たくさんのアイデアを盛り込んだ取り組みを
季刊誌“スマイルキッチン” でご紹介します。